はじめに
アコースティックギターを始めてしばらく経つと、弦が緩んできたり、指版にホコリが溜まってきます。
それらを放置しておくと、ギターの痛みが早くなり、故障しやすくなるだけでなく、奏でる音も悪くなってしまいます。
長く愛用するためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
この記事では、アコースティックギターの基本的なメンテナンス方法を紹介します。
弦交換
ギターのメンテナンスにおいて基本となるのが弦交換。
使用頻度にもよりますが、一般的には1ヶ月に一度を目安に弦交換を行うと良いでしょう。
サビに強い加工がされたコーティング弦は3カ月に一度を目安にすると良いです。
基本的な手順は、
- 古い弦を緩める
- 古い弦を切る
- 古い弦の取り外し
- 新しい弦のボールエンドを曲げる
- 弦の長さを調整
- 弦の長さを調整
- 弦を巻く
- 弦を引っ張る
- チューニングと余った弦のカット
という工程で行います。
詳しくは、アコースティックギターの弦交換
こちらの記事で解説していますので、弦交換を詳しく知りたい方はチェックしてみてください。
通常のお手入れ
ギターの演奏後は、弦やボディに手の油や汗が付着しています。
そのまま放置しておくと、弦のサビやボディの痛みにつながってしまいます。
ギターを弾き終わったら、乾拭きを行いましょう。
アコースティックギターは繊細な楽器なので、拭きあげる布によっては弦やボディが傷んでしまう恐れがあります。乾拭きには楽器専用のクロスを使うことをおすすめします。
深いお手入れ
日常のお手入れを行っていても、やはり楽器は消耗していきます。
弦交換時のタイミングで、深いお手入れを行いましょう。
ボディ、フレット、ペグなどの各部分を丁寧にクリーニングします。
指版のお手入れ
指版は、弦が張っている状態だと見えづらいですが、手の油や皮脂、ホコリなどで案外汚れてしまっています。
まず指版全体を拭き上げましょう。
拭き上げたら、クロスに指版オイルを取り、指版全体に添付します。
その後新しいクロスで拭き上げましょう。
指版は乾燥によってひび割れてしまうこともあるので、オイルを使用して保湿することが大切です。
ボディのお手入れ
普段、ボディをこまめに乾拭きしていても、どうしても曇りや皮脂汚れは残ってしまうものです。ギターポリッシュを使用してキレイな状態に戻しましょう。
適量をクロスに取り、円を描くようにギターのボディ全体に均一に塗布します。
その後、新しいクロスで拭き上げて完了です。
ポリッシュを使用することで、普段のお手入れでは取れない汚れを落とすことができます。
フレットのお手入れ
フレットは金属でできているので、汚れを放置してしまうとサビやすくなってしまいます。フレットが傷むと音程にも影響が出るので、清潔な状態を保つことが大切です。
フレットをお手入れするための方法はいくつかあります、
研磨剤を使う
金属用の研磨剤を使ってフレットを磨きます。
フレットの細かい傷やくすみを落とし、なめらかな状態に戻すことができます。
指板が傷つかないようにマスキングテープなどで保護しながら磨きましょう。
力を入れすぎず、丁寧に磨いていくのがポイントです。
フレット専用のクロスを使う方法
フレットを手入れする専用のクロスも販売されています。
ツヤ出しのワックスが配合された物や、磨いた後の保湿機能が備わっているものなど、様々あります。
研磨剤が配合されているものは、指板が傷つかないようマスキングテープで保護しましょう。
楽器店などで販売されている「フレットバター」は研磨剤が配合されておらず、指板を保護する必要がないので、簡単にフレットをお手入れできます。
プレートを使う
フレットを手入れする際に、いちいちマスキングテープで指板を保護するのは、結構手間がかかります。
フレット磨きプレートは、穴にフレットを挟むだけで簡単に指板を保護できます。
このようなグッズを使うと、より効率的にフレットを手入れできます。
保管方法
アコースティックギターは木製の楽器で、湿度や温度の変化に敏感なため注意が必要です。
湿度
アコースティックギターの適切な湿度は50%前後だと言われています。
湿度が高すぎるとカビが発生したり、弦がサビてしまう恐れがあります。
また、低すぎる湿度もNGです。極度の乾燥はギターの変形やひび割れにつがってしまいます。
温度
湿度に加えて、温度にも気を付けましょう。
アコースティックギターを保管する際の気温は、人が快適に過ごせる温度を目安にすると良いでしょう。
また、直射日光や冷房が直接当たる場所を避けて保管することが大切です。
対応できない場合は専門店にお願いしよう
日々のお手入れや、深いメンテナンスはギターを長持ちさせるうえでとても重要ですが、ネックの故障など重い症状の場合は、楽器専門店に相談することをおすすめします。
必要以上に自分でいじってしまうと、ギターをさらに痛めてしまったり、修理代が余計かかってしまいます。
専門店のスタッフは楽器のプロなので、適切な処置や修理をしてくれます。
また、メンテナンスや演奏に関するアドバイスもしてくれるので、楽器についてより理解が深まる良い機会でもあります。
修理する箇所によって料金も変わります。
「こんなにかかるの?」という事態を避けるためにも、事前にお店のサイトなどで料金を把握しておくと良いでしょう。
さいごに
ギターのメンテナンスとクリーニングは、ギターを長持ちさせ、美しい音を奏でるための重要な要素です。初心者であっても、これらの基本的なケアは誰でもできます。
最初は少し腰が重いかもしれませんが、いざやり始めると、楽器がきれいになっていく過程は楽しいものです。ギターと向き合うことで愛着もさらに湧いてきます。
ギターを始めたばかりの方、長い間弾いている方にも、この記事がギターのメンテナンス時の参考になればと思います。最高のアコギライフを楽しんでください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!